公益社団法人 全日本不動産協会
入会の価値をリスティング広告で伝え、CV1.9倍・CVR2.4倍に改善

「正しい情報を、必要な人に」
──社会的役割を果たすために入会者を増やしたい
「不動産業界の健全な発展と国民の安全安心な不動産取引の確保」を目的に、開業希望者への相談や研修を行っている全日本不動産協会様。
この活動によって一般消費者に不動産取引のトラブル回避はもちろんのこと、同じく良識を持って取り組む不動産会社への認知拡大および会員数拡大のため、マイスタースタジオのリスティング広告運用代行の活用を決断されました。
限られた予算の中で、信頼ある情報を最大限に届けるために
──背景にあった課題
開業を考える人はまずインターネットで情報を探しますが、検索結果には営業成績をあげるための研修やコンサルティングなど予算を大きくかける競合サイトが多数見られました。
全日本不動産協会のように入会で得られる会費がそれほど大きくない場合、単価の高い他社に広告枠を押さえられてしまい表示が増やせないことも少なくありません。
「予算に制限がある中で何とか工夫してもらえる代理店はないか」──そんな課題感から、広告活用の相談をいただきました。
マイスタースタジオの支援
主にアカウント設計の最適化、広告文の訴求内容の見直し、コンバージョン設定の再整理などを通じて「無駄なクリックや過剰な露出を抑えつつ、コンバージョンの見込みが高いユーザーに的確に情報を届けること」を軸に、施策を実施しました。
その結果、CVは1.9倍・CVRは2.4倍と大きく改善しました。
具体的な取り組みの一例として、以下の5点をご紹介します。

1.アカウント設計と運用体制の構築
新規リード獲得を目指して、広告運用代行を実施。
コンバージョンポイントの定義やGoogleタグマネージャーでの計測設定、アカウント構築など、運用のベースとなる部分を担当者様と丁寧にすり合わせながらスタート。
運用開始後も定例ミーティングで方針のすり合わせを行い、CPAを維持しつつ件数の拡大を達成しています。
2.課題と目的の言語化
単なる集客ではなく、協会の特徴や価値をユーザーにしっかり理解してもらうための導線設計を前提にディスカッションを実施。
協会が持つ信頼や、入会することによる具体的なメリットが伝わる訴求の方向性のすり合わせを行いました。
3.広告文での「入会関連」訴求の強化
CVRの改善を目的として、広告見出し・説明文の見直しを実施。
特に、LPと関連性の高い「入会」に関連する文言を広告文に明確に盛り込むことで、CVにつながる確度の高いユーザーを的確に惹きつけつつ、確度の低い無駄なクリックの抑制を目指しました。
この調整により、施策前後の月を比較すると、CVR:0.85%→1.36%に向上しました。
4.マイクロコンバージョンの導入
申し込みフォームに遷移するリンクのクリックをマイクロコンバージョンとして設定し、機械学習に活用。
CV見込みのあるユーザーへ広告露出を拡大し、結果としてCV増加に至ることを目標として、施策を実施しました。
施策後の月から申し込みフォームの送信完了の増加が見られ、同CV数は200%を超えて増加しました。
5.プレースメントおよびコンテンツテーマの除外設定
Google広告にて、プレースメントおよびコンテンツテーマの除外を実施。
P-MAXキャンペーンの広告が、関連性の低い掲載面へ出稿されることを防止し、CVRの改善を目指しました。
施策前後の月を比較すると、P-MAXキャンペーンについてCVR:0.68%→2.74%に向上し、確度の高いユーザーのクリックを促進する結果となりました。
得られた成果
質の高いユーザーからの問い合わせが増加
広告を通じて流入したユーザーは、紹介ページをじっくり読んだうえで、開業相談や入会申し込みに進むケースが増加。
事前に情報を理解している分、実際の面談等でも確度が高く、入会に至る割合も向上が見られています。
広告経由のCVは約1.9倍、CVRは約2.4倍に
広告運用を開始して以降、CV・CVRともに大幅に向上。
「広告=売り込み」ではなく、「必要な人に、正しい情報を届ける手段」として機能しています。
CVRの改善が見られることから、見込みの薄いユーザーからの不要なクリックも防止できています。

実益を再投資し、社会的役割の拡充へ
広告で得られた実益が、新たな啓発施策や相談体制の強化への再投資につながり、公益的な取り組みを広げるきっかけに。
ただの集客施策ではなく、「協会の想いを支える循環」の一部として活用されています。
今後の方針
出稿優先度の高いキーワードの精査と拡充
協会への入会申し込みや開業相談に結びつくユーザーをさらに増やしていくためには、出稿すべきキーワードの見直しと優先度の再整理が必要です。
今後も検索語句の分析を行いながら、既存の出稿キーワードに抜け漏れがないか、強化・拡充すべきポイントがないかを継続的に検討していく予定です。
検索語句カテゴリー別のデータ例 (※一部キャンペーン)

→傾向と今後の展望
❶申請・登録系と比較して、開業・独立系のキーワードはクリック単価が低く、クリック率が高いため、インプレッションを拡大できれば効率的にLPへの流入を促進可能。
❷申請・登録系と開業・独立系を合わせたクリックシェアは全体の51%を占めており、残りの約半数はその他カテゴリからの検索流入によるものと推定される。この点から、未出稿カテゴリにおけるキーワード追加も検討余地がある。
クライアント様の声
公益社団法人全日本不動産協会
大阪府本部広報委員会より
“広告”というと押しつけの印象もありましたが、マイスタースタジオさんは“どうすれば私たちの想いも合わせて届けられるか”を一緒に考えてくれました。
打ち合わせの中でも、“誰に、どんな順序で情報が届くと信頼につながるのか”を丁寧に整理してもらえて、考え方が大きく変わりました。
実際に広告経由で来られる方は、紹介ページの内容をよく読んで理解されたうえでお問い合わせくださる方が多く、話がスムーズに進みますし、入会までの流れもとても自然です。
リスティング広告を通じて、私たちの取り組みに共感してくれる方と、確実につながれている実感があります。
また、いたずらに広告費を増やすのではなく、関連性の高いユーザーに的確に届けることで無駄を抑えながら、しっかり件数増加につなげていただけた点が非常にありがたかったです。
これまでリスティング広告はどうしても数字が合わずに断念していましたが、おかげさまで現在は必要不可欠な取り組みの一つになっています。
加えて、リスティング広告によって得られた反響や成果は、私たちがさらに広報や支援に投資する原動力にもなっていて、より多くの方に貢献できる良い循環が生まれていると感じています。
広告運用において大切にしているのは、数字だけでなく、クライアント様の想いや取り組みが正しく伝わる設計です。
私たちは単なる集客手段としてではなく、「届けるべき情報を、必要としている人に安心して届ける」ことを第一に考えています。
一つひとつの導線を丁寧に設計しながら、伝えたい想いをどう可視化していくか。
関連性の高いユーザーに情報を届けるため、広告露出の無駄を減らし、一つひとつのクリックの精度をどのように改善していくのか。
そんな視点を共有しながら、これからもご一緒できればと思います。